ミルクとワインとクリーンエネルギーの町「くずまき」岩手県葛巻町を訪問
                                         (2008年5月16日から18日)

県議会森林林業活性化議員連盟の役員で盛岡市の北部山間に位置する、葛巻町に3日間滞在し、町民のみなさんと交流し、また町内各地をつぶさに見て回りました。
最大の驚きは、スキー場も温泉施設もゴルフ場もない人口8千人の山村でここまで各種の自然エネルギー関連の事業を実施できるものだということです。畜産と林業が主産業のこのまちで、役場も森林組合も第三セクも住民も、環境に優しい循環型社会を目指す。その統一されたコンセプトをしっかり感じる取ることができました。
公機関が設置する葛巻中学校の太陽光発電所、くずまき牧場の畜産バイオガスプラント、木質バイオマス発電所、、森林組合の炭焼き小屋(大量釜)、町内二カ所にある風力発電所などを視察。また木質ペレット製造工場なども見学でき、グリーンエネルギーにどっぷり浸かった3日間でした。

町では、新エネルギー等の導入に独自の補助事業を行っておられます。太陽光発電施設には最高9万円、ハイブリッド自動車5万円、木質バイオマス熱利用(薪、ペレットストーブなど)最高10万円、高効率エネルギー施設(エコキュート)5万円、風力・小水力発電など10万円など。ここまで行政の施策が徹底されているとは恐れ入りました。葛巻町役場が全国で1番の取り組みでしょう、きっと!

葛巻町公式ウエブサイト:日本一の新エネルギー基地を目指して

木質ペレット工場
葛巻林業(株)では、木材を余すところ無く利用(製品化)しています。広葉樹チップ製造過程で出る副産物の樹皮を(それまで焼却処分していたが)、1982年から木質(樹皮)ペレットの製造に着手したそうです。第2次オイルショックの時期は全国に多くの製造工場があったそうですがオイルショックから立ち直ると激減したとか。見学して驚いたのはペレット化成型機が思いの外小型だったことです。木質ペレット燃料は固形化するので、貯蔵や搬送が容易だという利点があります。また、品質が安定しており専用のボイラやストーブに自動制御で投入できます。岩手県では、1985年頃から温水プールや学校、福祉施設等に大型のペレットボイラーが設置されていますが、油を一切使用せずメンテナンスも容易でかなり優れもののようです。県は家庭用のペレットストーブ設置に対して5万円の助成をしています。役場や関連施設にも設置されていました。


バイオガスプラント施設
くずまき牧場内にあるこの施設は家畜糞尿をメタン発酵させ、発生したガスで発電機を回し、電力と温水を回収します。糞尿の固形分は堆肥に、メタン発酵廃液は良質な液肥となり土に還元されています。
事業主体:葛巻町
管理主体:社団法人葛巻町畜産開発公社
発電機=37kW
木質系バイオマスガス化発電施設
間伐材等のチップを加熱することによりガス化し、それを燃料にガスエンジンをを回して発電と温水を取り出す実証プラントです。実証試験は予定どおり成果を上げたそうですが、原料のチップの価格がネックとなり採算ベースに乗らないとのことです。現在休止中です。

事業主体:月島機械株式会社、NEDO、葛巻町
発電量  120kw
熱回収量 266kw
袖山高原風力発電施設
葛巻町の第3セク「エコ・ワールドくずまき風力発電(株)」が運営主体の発電施設で平成11年6月完成。デンマーク製で400kw×3基が稼働中。全国でも先駆的な施設なので発電出力が小さいとのことです。とても見晴らしの良い牧場高台に設置。
グリーンパワーくずまき風力発電所
同じく標高1000mを越える高台に設置されています。運営は電源開発(株)が100%出資の現地会社が行っています。世界最大級の発電出力を誇ります。デンマーク製
1,750kw×12基
平成15年12月営業運転開始

1000mの高台に建設できたのは国の事業により建設した既存の道路があったことが一番大きいとのこと。
炭焼き小屋
森林組合の炭焼き小屋(大量釜)木質ペレットを合わせて、人口8千人の町内でほとんどのバイオマス・自然エネルギー関連施設が見学できるとは驚きです。

写真右が大量釜、左は炭を袋に詰めているところ。
葛巻の大量釜は日本国内はもとよりアジア各国から視察団も訪れるほどの高い技術を有しているそうです。


県議会「企業局新エネルギー導入・啓発事業」賛成討論(2007年6月27日)
  • 本日が、宮崎県議会6月定例会の最終日で議案の採決が行われる日程になっています。今議会に提案された「企業局新エネルギー導入・啓発事業」補正予算(7000万円)に他会派が反対討論を行うので、我が会派は事業推進の立場で賛成討論を行いました。賛成討論

北九州エコタウン風力発電所を視察(2004年8月)
  • 「ゼロ・エミッション構想」(あらゆる廃棄物をゼロにすることを目指す構想)の推進を目的に創設された「エコタウン事業」は平成16年3月末現在、全国で19地域あります。今回、その一つである北九州エコタウンを視察する機会がありました。この一角に(株)エヌエスウインドパワーひびき(北九州市若松地区 新日本製鉄、三井物産との共同出資 2003年3月稼働)が設置したウィンドファームがあります。風車10基(1,500kW×10基)が設置され、年間約3,500万kwhの電気を九州電力に販売。支柱の高さは65m、羽根の長さは35mですので最高100mの高さとなります。


    北九州では、環境・リサイクル産業の振興を柱とする「北九州エコタウンプラン(経済産業省と環境省の承認)」を策定し、若松区響灘地区において具体的な事業に着手している。北九州エコタウンには、現在20のリサイクル施設が立地しています。
     立地企業は、集積の効果を生かし、それぞれの工場が相互に連携し廃棄物等のやり取りを行っています。
    具体的な事例としては、以下のようなものがあります。
    ● 廃棄物の資源化事例(17件、9種類)
     例)OA機器のリサイクル工場のコピー機から出てくる光源としての蛍光管を蛍光管のリサイクル工場で資源化する。
    ● 資源化物の活用(5件、3種類)
     例)食用油のリサイクル工場で製造されるバイオディーゼル燃料を、工場の重機の燃料として使用。


苫前町のウィンドファームを視察(2003年10月)
  • 北海道北西部に位置する苫前町は、日本海沿岸地域特有の強風を有効な資源として町独自に平成10年度から風力発電所3基の建設事業に着手。また、町所有の牧場に2企業がそれぞれ20基、19基を建設し苫前はアジア最大の風力発電の町となりました。合計42基の総発電出力は5万2800kwになり大型水力発電所を越えてしまう規模です。苫前町にこれほど多くの立地が可能になるのはいくつもの好条件が揃っているとのこと。うらやましい限りでした。その条件とは@風があることA工事車両進入道路があることB広い用地があることC送電線があること だそうです。町有牧場の中に既存の道路、送電線があり、建設費が大幅に縮減されコスト削減のメリットが大きかったことが決めてのようです。これらの条件をクリアーできる適地は全国的にみてもそんなにないだろう、私の感想です。 
    お忙しいなか、森町長をはじめ役場のみなさまには本当にお世話になりました。

    苫前町の風力発電に関する取組みについて
南大隅ウインドファーム見学 (2002年12月30日)
  • 南大隅ウインドファーム見学

    今朝の朝日新聞西部本社版3面記事にカラー写真付きで丸紅系列の風力発電ファームが紹介されていました。場所は鹿児島県大隅半島南端に近い根占町。年末の休みの合間を縫って出かけました。その勇姿に感動しました。
東京都水道局東村山浄水場を視察(2002年8月)
  • 東京都水道局東村山浄水場を視察する機会がありました。原水連絡管により、多摩川の水だけでなく利根川・荒川の水も利用している。また、多摩川水系貯水池の水を自然流下によって取水することができ、送水の大半を自然流下で送ることもできます。そこで、この特徴を活かし、震災時も通常の施設能力を発揮できるように、常用発電設備を設置しています。その一つが、貯水池との高低差を利用した水力発電所、出力1500kw。また空き地に70kwの太陽光発電所。さらに屋上にはデータ収集用の風力発電機が。そしてガスタービン発電所もあり、発電で生じる熱も利用するコージェネレーションシステムとなっています。これらの発電能力で当浄水場の必要電力の半分をまかなっているとのことです。
    広い敷地に70kwの太陽光発電施設 入口にはしっかり環境に優しい発電の説明

「自然エネルギー発電促進法」の早期制定を求める意見書を採択

公明党宮崎県議団の提出した意見書を2000年9月議会で全会一致で可決し、
内閣総理大臣をはじめ関係大臣宛5カ所、衆参両議長に送付します。

    「自然エネルギー発電促進法」の早期制定を求める意見書

 人類と地球環境の持続的発展を目指して、平成九年十二月に京都で開催
された国連気候変動枠組み条約締約国会議で交わされた京都議定書におい
て、わが国は、国際的公約として、二酸化炭素等の温室効果ガスの削減目
標を決定したところである。わが国は、この削減目標を達成するために、
効果的な地球温暖化対策を実施するなど、最大限の努力をしなけれぱなら
ないことは言うまでもない。
 この観点から、風力、太陽光・熱、パイオマス、小水力、波力、潮力な
どのいわゆる環境負荷が小さい自然エネルギーによる発電を積極的に開発
し、その普及を図ることは、いまや喫緊の課題となっている。
 欧米においては、再生可能な自然エネルギー等による発電の開発を促進
するため、電力の買取り制度などを法制化するなど、国による必要な支援
策を講じている。
 一方、わか国では電力会社が自然エネルギーによる電力を自主的に購入
しているものの、自然エネルギーによる発電の開発促進に向けての国の財
政支援などを定めた法制度が確立されていないのが現状である。自然エネ
ルギーの開発促進のためにぱ、国の助成と支援が不可欠であり、そのため
の法制度を一刻も早く確立すぺきである。
 よって、政府におかれては地球温暖化防止の趣旨を踏まえ、地域活性化
にも貢献する「自然エネルギー発電促進法」の制定に取り組むよう強く要
望する。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により、意見書を提出する。
 乎成十二年十月三日
                                    宮崎県議会


私の自然エネルギー関係県議会質問

2000年11月定例議会一般質問

  • 太陽光発電普及に対する自治体の取組みについてお尋ねします。
    太陽光発電に関しては、ふつはら議員が平成11年9月議会で取り上げられています。その中で鈴木副議長が太陽光発電を設置され快適な生活をおくっておられるとお聞きしました。そこで、私も早速地球環境に優しい太陽光発電システムを設置したところであります。ちょうど9月議会開会中に工事を行いましたが、その後連日、天候が悪く初期の目標達成が困難になりつつあります。それはさておき、設置して、私が一番感じたことは、やはり自己負担の重さでありました。設置に当たり私は運良く2つの補助金をもらうことができました。3.36kwhのシステムに対し(財)新エネルギー財団から907,000円、NPOの再生可能エネルギー推進市民フォーラム西日本から600,000円。計150万7千円であります。設置費用は一頃からするとかなり安くはなっていますが、それでも280万ほど掛かりましたから差し引き130万円ほどの自己資金が必要となります。ある調査結果での「100万円を下回る自己負担なら設置してもいいと考えている人が多い」ことを改めて思い出しました。ということは、太陽光発電の普及促進には更なる助成が必要ということであります。実際、全国的に住民の自主的な環境保護対策に援助を行う自治体が増えてきています。特に一般家庭の太陽光発電設備に対する助成が顕著に増えているようであります。10月24日の宮日新聞に「環境問題県民アンケート」の結果が「経済より環境重視」との大きな見出し付きで掲載されていました。私もアンケート結果を読ませていただきましたが、それによりますと、「大気汚染」「地域温暖化」「オゾン層の破壊」について9割以上の県民が関心を持っていることがわかります。
    太陽光発電システムの導入には多くのメリットがあります。
    ●太陽光の無尽蔵の工ネルギーを利用したエネルギーであるので化石燃料みたいに枯渇する心配がない、永久的に再生可能できる発電システムである。
    ●発電時には、騒音もなく二酸化炭素も排出しないので地球環境に負荷をかけないクリーンなエネルギーである。
    ●国が進める地球温暖化防止対策の推進に大いに寄与できるエネルギーである。
    ●太陽光発電システム設置後のメンテナンスがほとんどかからない。
    ●太陽光発電システム設置後発電する事によって電気代の節約ができる。また毎年電気を発生して電気代で償還できるシステムである。償還後も電気代を稼いでくれる。(他の箱物の設備は、投資しても稼いでくれません。)
    数多くのメリットがありますが、ここで、自然エネルギー活用で最も県民に身近な太陽光発電に県の認識についてお尋ねします。
    県では、来春の県環境審議会の答申を得て新たな環境基本計画を策定されるようであります。また、現在、県総合長期計画の策定中でもあります。ぜひこれらの計画に、太陽光発電システムの導入促進策、具体的には個人や企業の設置に対する助成策を盛り込んでいただきたいと思いますが、企画調整部長の答弁を求めます。
    • (答) 企画調整部長
      太陽光発電を始めとする新エネルギーにつきましては、地球環境保全やエネルギーセキュリテイーの観点から重要なものであり、新しい総合長期計画原案や環境基本計画骨子案においても、その導入促進が位置づけられているところであります。県といたしましては、国の助成制度のPRに努めるなど、今後とも、太陽光発電の導入促進に向けて努カして参りたいと考えております。



    宮崎は「太陽と緑の国」であります。そのイメージアップのためにも県民運動としてこの太陽光発電の普及を図るべきではないでしょうか。それにはまず、県をはじめとする自治体がモデルケースとして率先して設置していかなければならないと思います。県有施設でも都城の畑作支場などでみかけるようにはなっていますが、他にも総合運動公園や庁舎の屋上など設置スペースがたくさんありますし、まだまだ少ないような気がします。宮崎の公共施設は本格木造に太陽光発電、宮崎のイメージにぴったりではないでしょうか。個人住宅などへの助成と並行して、県有施設での設置を是非ご検討頂きたいと考えますが、現在の設置状況と今後の計画について企画調整部長にお尋ねをいたします。
     また、特に学校においては、これからの21世紀を担う子どもたちの環境・省エネ教育に高い効果が期待できます。全国的にも公立学校での設置事例は数多くありますし、災害時に学校が防災拠点として機能することを考えると、電源確保という面でも重要ではないでしょうか。まずは、太陽光パネル一枚の設置でも教材として立派に役立つはずであります。公立学校の設置状況と今後の設置計画について、教育長にお尋ねいたします。

    • (答)教育長
      県内の市町村におきましては、本年度、小林市が中学校校舎の改築と合わせて太陽光発電設備を工事施工中であり、来年度は宮崎市において整備の計画があります。
      このように環境に配慮した整備を行うことが、児童生徒等への環境教育に資するものと考えられますので、県教育委員会といたしましては、今後とも、学校の実状や事業効果等を十分検討しながら、学校施設の整備に努めてまいりたいと考えております。

2000年6月定例議会一般質問 

  • 自然エネルギー対策についてお尋ねします。
     風力、太陽光、バイオマス、小規模水力電力などの方法で発電される、地域分散の再生可能な電力はグリーン電力と呼ばれています。地球温暖化問題や酸性雨、放射性廃棄物の処理問題等のエネルギー消費による環境問題を解決する決め手として、グリーン電力は普及拡大が期待されており、中でも風力発電は実用性と経済性の向上が急速に進み、1990年代を通して世界全体で最も成長率の高い電源となっています。グリーン電力はこれまでずっと夢物語のように描かれてきましたが、実現に向けて動き出したと言えます。
     資源エネルギー庁は、自然エネルギーの普及に向け、本格利用の可能性や技術開発の動向など調査を進め、風力、太陽光発電、燃料電池などの新たな導入促進策を検討する調査会を発足させております。また、太陽光や風力などの自然エネルギーの拡大をめざす超党派の国会議員200人余りで組織した「自然エネルギー促進議員連盟」も昨年11月24日発足し、議員立法による「自然エネルギー促進法」を提案する予定としているようであります。
     ふつはら議員が昨年の9月議会で、太陽光発電の家庭普及をはかるための補助制度の導入について発言されています。太陽光発電は、個人負担が1OO万円をこえることが導入を阻む原因であると世論調査の結果が出ています。多くの自治体で、太場光発電導入促進のために独自に補助金を出しているなか、宮崎は、日照時問が全国3位の「縁と太陽の国」なのに太場光発電設置数は、全国33位であります。南国宮崎の環境条件が少しも生かされてないのは問題ではないでしょうか。また日本世論調査会が昨年7月に行った世論調査では、今後どんな工ネルギー源を重視するか複数回答で聞いたところ太陽光発電が79%、風カ42%と答えており環境にやさしいクリーンな工ネルギーを国民は、望んでいるわけであります。。
     そこで、風力発電についてであります。
     果たして、日本に風力発電に可能な風は吹いているのでしょうか。新エネルギー産業技術総合開発機構による1998年の調査結果によれば、日本の年間平均風速毎秒6メートルの地点に、550万〜1670万キロワットもの大型風車を建設可能であるとされています。通産局は、中でも、九州は建設適地が多いとの調査報告書をまとめています。現に、国内最大級の風力発電所を大隅半島に総合商社丸紅が計画中で、2002年稼動をめざすとしています。
     また、いわゆる発電コストでも風力発電の経済性は、急速に向上してきています。欧州や米国では、1キロワット時あたり五円程度まで低下しており、日本でも山形県立川町の例のように10円台の前半が射程に入ってきています。従来型の電源の環境コストとして、石炭火力発電で1キロワットあたり約6円、原子力では約3円といった試算もあるため、こうした外部費用を考慮すれば、風力発電の経済性は、従来型の電源と競合できるレベルが目の前に来ているといえるでしょう。
     さて、前置きが長くなりましたが、本県でも、企業局が独自に風力の調査を県内3カ所で開始したとの新聞報道がなされています。その調査目的、事業化の可能性についての企業局長の見解をお伺いいたします。

    •  (答)企業局長 
       風力の調査目的と事業化の可能性についてであります。
      1 風力の調査につきましては、平成8年度から実施しておりまして、これまでに5箇所が完了し、現在は3箇所で実施しております。
      2 これら風力調査の目的は、エネルギーの安定供給と地球環境の問題等の関係から、自然エネルギーとして注目されている風力発電の事業化の可能性について調査するものであります。
      3 風力発電の事業化のためには、風速が年間平均で毎秒5メートル以上がひとつの目安となっておりますが、これまでの調査結果では、5メートル以上の箇所はございません。
        4 風力発電につきましては自然エネルギーのひとつとして期待されており、クリーンエネルギーでもございますので、引き続き調査を続けていきたいと考えております。